パリへ
★パリ珍道中5日間(5/24→28)
東京で約1週間、カッパ橋や浅草橋、池袋、日暮里繊維街、吉祥寺などでカフェで使うものを物色して、ヘロヘロになりながら毎日10キロ以上歩いた。
その後、パリへ。
15年ぶりのパリ。3度目のパリ。
初めてのパリは38年前。
夫がサウジに単身赴任していた折、最終帰国の時に合流した。
それは私にとっては初めての海外旅行。
15の頃、朔太郎の「ふらんすへ行きたしと思えども…」の詩を知り、フランスへ憧れていた青春時代。
息子がパリにいる友人の結婚式に出席するのでパリに行くという。
息子の誘いに、金魚のふん、よろしくついてきた。
オープンの準備もまだ道半ばであったが、こんなチャンスを逃がす手はない…半ばやぶれかぶれの気持ちも手伝って
羽田空港からANAの直行便で12時間。
12時間のフライトはさすがにこたえる。
空港まで出迎えのタクシー。
パリ市街の裏道をクネクネとパリに精通したドライバーのよう。
アラブ系の風貌だが、聞けば生まれた時からパリにいるのだという。
車内にはクラシックが流れて…尋ねるとバッハ。
リコーダー奏者はTENNONだと。
クラシックが大好きだという感じのよい若者だった。
★ホテル ibis stayles
日本でいうビジネスホテルだろうか。星★★★
外観はしょぼいが感じだが、中はスタイリッシュでけっこうおしゃれ。
シティホテルの快適さはないが、ベッドが広めで寝心地がいい。
質素な朝食でセルフだが、何よりパンとチーズが美味しい
オレンジを絞ってフレッシュジュース。
着いた翌日、息子は結婚式へ。
リヨンから1時間半くらいのマナーハウスだそう。
https://www.chateaudesereville.com/
私はシテ島、サン・ルイ島をひとりで歩き回ってカフェめぐり。
パリの街は汚いよね~という声をよく聞く。
確かにタバコの吸い殻や紙ゴミがあちこちに。
だけど、それが気にならないほど歴史的建造物に魅了される。
特にシテ島、サン・ルイ島はその宝庫だ。
この街のどこかに女優の岸恵子さんは住んでいるんだなぁと思いながら、ぶらぶら
以前、シテ島という島があるとばかり思っていたが、セーヌ川の中州で橋が架かっている。
ま、厳密には島と言えば島か
橋の上からセーヌ川を望む。
フランスの祝日だとかで、すごい人出。
ノートルダム寺院も長蛇の列
小高い丘の上・パンテオン
セント・ジュヌヴィエーヌ教会
3日目、結婚式で朝帰りした息子は
いやぁ
二度とできない経験をしたね…と素敵なカルチャーショックの嵐だったよう。
参列したほとんどの人はそのまま残り、午後から森へピクニックへ行くのだという
ちょっとだけとベッドに潜りこんだ息子をそのままに、私は街へ繰り出して遅めのランチで合流。
ここもガイドブックに載っていたシャルティエで待ち合わせ。
2時過ぎていても行列
各国のガイドブックに載っているのだろう。
わいわいがやがや、すさまじい人の数。
鱈のなんちゃらソースとサラダ。
当然のごとく相席で
紙のテーブルクロスの上に書かれる注文とお会計。
サングリアがおいしい
ガイドブックに1896年創業の大衆食堂とあるように、パリにしてはたしかに安い
ふたりで33ユーロ。
モンマルトル、サクレクール寺院界隈へ。
サクレクールの丘よりパリの街を望む。
夕方、パリへは十数回も渡航している友人の勧めるボン・マルシェ食品館へ。
いやはや、恐れ入りましたっ
新宿伊勢丹をもっとおしゃれに高級にしたような…
見ているだけで楽しい
こんなに多くのチーズを目にしたのは初めて
多種多様のチーズの数々
どれもこれもおいしそう
おいしそうなパンもいっぱいあったが、小さなバゲットを買ってみる。
こちらも美味しそうなオリーブがずらり
う~ん
しまったなぁ
これはきのう来て、買い込んでホテルで夕食にするべきだったか
マスタードやジャム、調味料の数々、買って帰りたいのは山々だけど、重いので断念するが後悔することになる
夕食は息子が目星をつけていたところは予約が取れず、エッフェル塔の近くの景色が素晴らしいというレストランへ。
ドレスコードがあるやもしれずと靴とバッグまで詰め込んできたのだが残念
たしかに景色は素晴らしかった。
夜の10時でもパリはこんなに明るい。
白身魚の前菜
今回、東京のレストランで、今の時期しか口にできないというホワイトアスパラガスの美味しさに味をしめてホワイトアスパラガスをチョイス。
がぴぃ~ん
豚のテリーヌ
メインの白身魚のソテーとチョコレートムース
総じて日本は、特に東京は食べ物がおいいしいとつくづく
テラス席からはエッフェル塔がみえる
食事がすんだのが10時半。
11時過ぎにはホテルに着くはずだった。
最寄駅はミッテラン。
ミッテラン元大統領の名前がついた駅だ。
電車の中でふたりとも眠りこけてはっと気づいてあわてて降りたが、とっさに駅名がみえず違うかも…とまたあわてて飛び乗る。
車内の電光掲示板に Mitterraned …ed がついているのが見えた気がした。
ここだ
再び降りようとした時、無情にもドアが閉まる。
次の駅までの距離が長かったこと
ミッテランを過ぎたら急行のようだった。
やっと次の駅で降りて、通りかかった駅関係者のような女性に尋ねると、もう電車はない。
この辺りはタクシーもないという。
ミッテランまで帰りたいというと、いろいろ調べてくれた。
途中で乗り換えしなければならないがバスがあるという。
深夜1時03分発のバスに乗ることができた。
次々と乗り込んでくる人達は、ブルカを被ったイスラム系の女性やアフリカ系の人々。
仕事帰りのようだ。
そのバスは日本のバスのようにアナウンスもなければ降りる合図のブザーもなかった。
降りる人がドアの前に立ったり、運転手に声をかけるとドアが開く。
不安になって近くの女性に尋ねると、フランス語はわからないと言っても一生懸命説明してくれる。
なんだか、胸がじぃ~ん
次の乗り換えのバスの時間まで30分もあった。
時折、車が通るが人影は2、3人通り過ぎただけ。
その間、屋根に赤いランプのタクシーが近づいてきたが、手をあげるも通り過ぎていく。
パリのタクシーの赤いランプは空車じゃなかった
どうやら空車はグリーンのランプらしい。
食事の後、もうタクシーで帰ろうかという息子に、地下鉄1本でいけるからもったいない
電車で帰ろうと言ったのは私。
あの時、タクシーで帰っていればなぁ…
あわてて降りた時、ここじゃないかもと先にまた飛び乗ったのも私。
あの時、飛び乗ったりしなければなぁ…
私たちはとても疲れていた。
深夜、人通りもほとんどない異国の田舎町で、息子とバスを待つ。
なんだか物語のワンシーンのような…私は急におかしさがこみ上げてきて笑い出してしまう。
何がおかしいんだよ
いやぁ~、旅ってさ、過ぎてしまえばこんなことが楽しくておもしろい思い出になるのよ。
経験者は語る…である。
こんな状況下でも特に不機嫌になることもない彼の性格に救われる
やっと来たバスに乗ってホテルに着いたのはとっくに2時を回っていた。
2時過ぎまでバスが走っていることに驚く。
部屋に入ると、ベッドメイクもしていなくてタオル類の交換もしていない。
息子がすぐにタオルをもらってきたが、トイレに入ってからトイレットペーパーもないのに気づく。
なんでやねん
フロントの横で仮眠していたスタッフにトイレット・ペーパーがないのだけど…
それにどうしてタオル類の交換もしていないの?
自分は日中の勤務じゃないから知らないと。
はぁ
私はうかつにもこの時でもまだ、枕チップを忘れていたせいだということに気がつかなかった
翌朝になると息子は何事もなかったかのように…ケロッと明るく、さ、今日は豪華なお茶しようぜ
チェックアウトの後、荷物をオペラの近くで預けて、息子はルーブルへ。
私はサンジェルマン・デュ・プレ目指して別行動。
方向音痴だから地図を持っていても目指すところになかなか行きつけなくて迷う
時間がないというのに、同じところをぐるぐる回っていたりする。
通りを歩いていて、ベトナム・ホーチミンに似ているなぁ…と懐かしく
本家本元はこっちで、ホーチミンがパリに似ているわけだが
息子とガイドブックに載っていたサロン・ド・テ・カレットで1時に待ち合わせていた。
うろうろしている内に道に迷って焦っていたら、息子からオレ、もう店内にいるからと電話。
何か話がかみ合わない。
息子は2号店に。
私は1号店に。
なんでこうドジなんだろう
オペラの方からも2号店の方がお勧めですよとの話が出て、じゃ、2号店でと言われたのに。
私のガイドブックにあったのは1号店だった
何も疑問に思わず、ひたすらガイドブックを頼りに移動していた。
人気店のようで、ほぼ満席
息子が40分くらいかかってやって来た。
マカロンの波
アイスティーもマシーンなのか…濁りはあるし、あわあわ
これは断然、日本のアイスティーに軍配
オニオンスープはおいしい
ラズベリーのマカロンのおいしいこと
メニューチョイスをまちがったか…豪華でもないランチを兼ねたお茶をすませて、さ、帰ろうかという時に息子が
しまった
ひぇっ…また何か
ホテルのセーフティー・ボックスにお金を忘れてきた
無造作に鍵もないスーツケースにしまおうとした息子に、金庫があるんだからちゃんと入れといた方がいいよと言ったのは私。
がぴぃ~ん
うまくはないけど、英語もけっこう話していて、仕事柄、旅慣れているから空港での手続きもササッとスマートに…頼もしくなったなぁと思っていた矢先。
親の子
彼は私によく似ているところがある。
時間がない。
今度こそタクシーで行くぜとなり、タクシーでホテルに戻る途中、凱旋門経由。
彼はパリの象徴、凱旋門も見ていなかった。
タクシーの中からルーブルをパチリ
パリの街中を通り抜けて、ホテルまでしばしのドライブ。
お金も無事に戻り、途中で彼はクロケット&ジョーンズの靴を買い、ご満悦。
オペラで荷物を受け取り、ちょっぴり贅沢してそのまま空港までタクシーで行くことに。
何より、ドライバーがとても感じのよい紳士だった。
息子が言うにはジョージ・クルーニに似ているね。
静かな語り口でわかりやすい英語を話す、あくの抜けたジョージ・クルーニ似
美しい街並みを目に焼き付け、一路空港へ。
ところが、途中のトンネル内の事故で大渋滞。
冷や汗ものだったが、何とかセーフ
行きも帰りもドライバーに恵まれていたねと息子。
そう
そして、何より、ありがたいことにお天気に恵まれた
パリでは寒さに閉口した経験からヒートテックやカーディガン、薄手のコートまで詰め込んできた。
最高気温31度でもパリはカラッとしていて、気持ちいい。
セーヌ川を渡る風が心地よい。
90ユーロ以上の価値があったドライブ
華やかな美しいだけのパリではないものも見た。
ロンドンは人種のるつぼと言われて久しいが、パリも同じ。
時間帯や場所にもよるが、メトロの中や街中に、白人よりアラブ系、アフリカ系の移民と思われる人々が多いのに驚いた。
ブルカを被った子ども連れの物乞いの女性もたびたび見かけた。
ヨーローッパが抱える移民問題を垣間見た気がする。
こうして束の間の旅も終わり、羽田に戻ってきた。
そして、きのう長崎へ。
帰ってきたばかりなのに、また行きたい。
次はイタリアへ なんちゃって。
東京とパリのカフェめぐりはまた次回に